従業員
当社は「人を大切にする」という企業風土のもと、従業員を大切な財産と考え、「人材」の雇用と育成に取り組んでいます。多様な価値観を持った各人が個々の持ち味を生かして活躍できる企業であるよう、人材の多様性だけでなく、労働安全衛生、福利厚生などの充実を図っています。
人材の雇用と育成
雇用における基本的な考え方
当社は「常に新しい考え方と行動で成長する」ことを企業理念の中に掲げ、型にはまらず可能性に挑戦しチームワークで困難を乗り越える、意欲を持った人材を広く求めています。

人材の多様性の面では、特例子会社を通じて障がい者雇用を一層推進しているほか、女性や外国籍従業員の採用にも積極的に取り組んでいます。また、トップアスリートといった多様な分野で優れた能力を持つ人材を採用し、活躍を支援しています。
人材育成
当社の人材育成は、持続的成長のために、人材力、組織力の両面から質的向上を目指しています。
まず人材力の面では、従業員一人ひとりが企業理念を意識し、それを自身の行動に示すことを基本に据え、目指すべき人材像を踏まえて上司と話し合って能力開発目標を定め、達成へ向けて業務に取り組みます。
各人が受講する研修制度には、階層別や職務・職能別の集合研修のほか、事業のグローバル拡大を背景とした外国語や異文化研修なども行い、多様な価値観の受容力や、異文化コミュニケーション力の向上も目指しています。
また、組織力の面ではものづくり企業としてより一層、競争力を高めるため、製造現場の改善リーダーを養成する講座や、事業戦略レビューを実践的に行う戦略思考講座、創造性や変革力を養う講座も実施しております。
こうして、自ら成長しようとする「個人」を「組織」の力で育成し、それらを「人事制度」でサポートする、三位一体の人材育成に、これからも会社全体で取り組んでいきます。

採用活動
2022年4月入社者を対象とした新卒採用活動においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から採用募集企画をすべてWEBで対応すべくコンテンツの事前準備を進め、「キーパーツのプロ=ものづくりのプロ」をキャッチフレーズとしたニッパツの働き方がわかる「仕事体験」や、当社の働き方をより知りたい希望者には人事部員との「キャリア面談」をWEBで実施しました。
また、若手従業員や中堅社員にリクルーターとして協力してもらい、実際に働いている従業員の生の声を聞いてもらう学生とのフリートークの場を設けました。当社の企業風土や雰囲気をはじめ、就職後の会社生活をイメージしてもらえるような活動を行っています。
その他にも就職情報サイトでの情報開示、当社ホームページに「採用特設ページ」を設置するなど、当社認知度の向上に努めています。
新卒採用特設サイト
健康増進
健康増進の取り組み
当社は「安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場を作る」を経営方針として掲げています。それにより、従業員が心身ともに健康でいきいきと働き続けられることが持続的な企業価値の向上につながると考え、従業員の健康維持、増進活動を行っています。
1.健康宣言
当社グループ各社が健康経営を推進し、従業員とその家族の健康増進を図ることが重要と考え、グループ各社と健康保険組合が一体となって健康施策を進めるべく、グループ各社社長と連名で「ニッパツグループ健康宣言」を行っています。

ニッパツグループ健康宣言
2.健康管理・健康増進方針
当社では、2つの方針を掲げて活動しています。
①身体的健康管理
「従業員の自己保健意識向上の支援を行い、いきいきと働き続けられる健康施策に取り組む」
②メンタルヘルス
「従業員が心身ともに健康で、活力ある働きやすい職場づくりに取り組む」
3.健康推進体制
当社は健康増進を組織的に進めるため、2017年度より、最上位機関である「中央安全衛生協議会」の下部組織となる「中央健康推進協議会」を設置し、全社健康施策の方針や実施状況の確認、実施項目の検討などを行っています。また、各事業所では、健康推進委員や健康推進担当者を任命し、様々な健康施策を進めています。

4.健康増進目標と結果
①身体的健康管理

※1 有所見者グループでは無所見者グループと比べて肥満者の割合が高いことから、「肥満」の割合を減らすことで有所見者の低減を図るため
※2 当社の喫煙率が全国平均を上回っているため
②メンタルヘルス

※メンタル不調者の未然防止、早期発見に繋げるため
「休業日数」は目標を達成したことから、2021年度は目標値を変更し、引き続き休業日数低減に向けた活動を行います。
5.健康増進の課題と施策
①身体的健康管理
課題:従業員が主体的に自己保健に取り組む意識の醸成
施策:
- 中央安全衛生協議会の委員が自らBMIの低減に向けた活動を実施。社内報で会社目標値を周知するとともに、委員の取り組みの紹介や結果報告を行い、従業員に向けて自己保健意識向上のメッセージを配信。
- 従業員への活動量計配布による運動機会増加の意識づけ、体組成計や血圧計設置による健康度の見える化を実施。
- 各事業所の食堂を利用した食育活動などを実施。それぞれの取り組みは全社で情報共有するとともに、健康推進担当者会議で意見交換を実施。
- 各種健康診断の有所見者には、各事業所の医療職による面談などを実施し、改善に向けた指導を実施。
- 喫煙率低減の活動として、視覚教材を活用した禁煙教育や禁煙希望者への面談実施などのサポートを実施。
②メンタルヘルス
課題:従業員全員がメンタルヘルスの問題を理解し、働きがいがあり働きやすい職場づくり
施策:
- 集合研修、朝礼、eラーニングを活用した「セルフケア」「ラインケア」の教育。
- ストレスチェックの集団分析を活用した職場の改善。
- メンタルヘルス不調者は、各事業所の医療職と定期的に面談を実施し、サポートを行う。
●健康見える化プログラム・kencom 健康イベント開催
身体的健康施策の一環として、歩数や体組成計・血圧測定を基礎とした「健康見える化プログラム」で、従業員が楽しみながら自発的に取り組める施策を展開しています。施策を評価する指標として、対象者測定率20%、参加者測定率70%を定め、各事業所の健康推進主担当や看護職が一丸となって、本施策を推進しています。
2020年度は、9月より翌年1月末までの期間で、歩数送信、体組成計・血圧測定を継続して実施する事、また新規参加者やしばらく活用していなかった従業員を掘り起こし、さらに活用を促進する目的で様々なインセンティブ(継続測定ポイント、新規入会ポイント、活用再開ポイント等)を付与、そのポイントで景品抽選に応募できる5か月間のロングランイベントを開催しました。その結果、1,500名がポイントを獲得、365名が新規入会、活用を再開しました。
また、2021年3月より初めての試みとして、工場ごとで期間内での平均歩数を競い合う工場対抗歩数イベントを開催しました。結果、1,300名が参加しました。その効果としてイベント開催前と比較し、全社として平均歩数が約5%増加、またすべての工場において平均歩数が増加するなど、盛り上がりのあるイベントとなりました。
さらに、2020年10月には健康保険組合加入者を対象に、健康アプリ「kencom」を活用した「みんなで歩活」イベントを開催しました。本イベントにはグループ会社も参加し、自身のスマホを活用し、身近な仲間とチームを結成して歩数を競いあうイベントを開催しました。
こうしたイベントを通じて、従業員間のコミュニケーションの活性化、歩行習慣や体の状態を確認する目的の測定習慣が定着し、健康状態の把握と改善、ひいては従業員の健康増進につ ながる効果が期待できます。

工場対抗歩数イベント優勝の滋賀工場チームにはメンバー全員に景品を贈呈
●アスリート従業員による、自宅でできるストレッチ方法の情報提供
コロナ禍において、体を動かす機会が減少している状況を踏まえ、当社アスリート従業員による、自宅でも気軽にできるストレッチや体幹トレーニングの方法を、社内報を通じて従業員に紹介しました。少ないスペースで手軽にできる内容でありながら、疲労回復、基礎代謝の促進、ケガの予防などに効果が期待できる充実した内容を掲載しました。

社内報掲載のアスリートによる腰痛改善ストレッチ
●社員食堂における食育活動
当社では、社員食堂および保健師と連携した、食を通じた健康推進施策を行っています。
各工場の社員食堂においても、提供メニューの食材の成分表示(カロリー、塩分、糖質など)や適性摂取量の表示、塩分・カロリー量を控えたヘルシーなメニューや調味料の提供を実施しています。それぞれの取り組みは全社で情報共有し、会社全体としての社員食堂を活用した健康増進を図ります。
横浜事業所においては、フードマイスターの資格を持つアスリート従業員監修のヘルシーなメニュー提供を実施、また月ごとに食育に関するテーマを設定し、テーマに即した掲示物をテーブルに設置するなど、社員食堂を利用する従業員への食を通じた健康増進に関する啓発活動を継続的に行っています。

2020年から開始したバランスプレート(横浜事業所)
労働安全衛生
労働安全衛生の取り組み
当社は、2000年度から労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を導入し、2003年度から全社展開しています。「ゼロ災害」を目標に労働災害の撲滅を推進するため、次のような取り組みを行っています。
- トップ自らの行動力:
各事業所のトップが、実際の生産現場を確認しながら、強力に安全衛生活動を推進しています - リスクアセスメント:
職場の潜在的な危険性または有害性を見つけ出し、これを除去・低減する手法 - 危険予知活動:
予め危険性または有害性に関する知識をつけることで、労働災害の未然防止を図る活動 - 安全衛生教育:
労働災害の未然防止を図るため、法令など安全衛生活動に必要な知識を習得する教育を実施
また、さらに高度な設備本質安全を実現するため、各生産本部にセーフティサブアセッサを配置していく最中です。
労働災害の発生頻度を表す指標となる休業度数率は、近年の活動成果から全産業平均や製造業平均よりも下回っています。
今後は、労働安全衛生マネジメントシステムのPDCAサイクルを適切に回し、安全衛生管理のさらなるレベルアップを図っていきます。

休業度数率は、100万時間あたりの休業災害発生確率を表しています。
働き方改革
ニッパツの働き方改革「Smart Work Project」
当社は「安全で安心な会社」「働きがいがあり、働きやすい会社」を第一に2018年度より、働き方改革「Smart WorkProject」をスタートしました。
従業員の健康と心身の充実を第一に、業務の効率化を進め、多様な人材が活躍できる環境を整えることが、一人ひとりの成長と会社の発展を支えることにつながると当社は考えています。
業務効率化では、パソコン上で行う定型的な作業の一部をソフトウェアで自動化する技術(RPA)の活用、WEB会議システムの活用、会議体の見直しがあげられます。また柔軟な働き方として、2021年4月に在宅勤務制度とコアなしフレックス制度を導入しました。今後は、一層の業務の効率化を目指し、引き続き取り組みを進めていきます。
●ワークライフバランス
当社では、私生活と仕事の調和のため、様々な休暇制度を整備しています。年次有給休暇においては労使間で目標値を設定して取得を推進し、慶弔・育児・介護などの各休暇も取得しやすい環境を整えています。
![]() (2021年3月末実績) 年次有給休暇の年間平均取得日数 16.3 日 (2021年3月末実績) |
※ 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、事業所の一時休業が発生しました。
その影響を考慮し、2020年度は一時休業をしていない月数に1.5日を乗じた日数を年次有給休暇の取得目標として管理をしています。
(通常時は年間18日の年次有給休暇取得目標を設定しています)
労使関係
活発な労使のコミュニケーション
当社は、労働組合と様々な案件の検討や情報共有を行うため、全社としては中央労使協議会、事業所ごとに支部労使協議会を毎月開催しています。
その他に、時間外労働に関する事前協議会、生産計画に関する協議会、安全衛生協議会などの定期的な協議会を設け、労使でタイムリーに議論を行えるようになっています。
また、当社と労働組合は、公正かつ安定的な労使関係を確立し、当社の発展と組合員の生活向上を図ることを目的に、労働条件全般や労使関係全般にわたり、包括的な労働協約を結んでいます。労働協約は、印刷物の配布とイントラネット掲示を通じて最新の労働条件について全従業員がいつでも閲覧できるよう公開されています。
その他時間外・休日労働の協定(法定)、昇給や賞与に関する協定など様々な労使協定を締結しています。また、新型コロナウイルス感染拡大への対応として、職域接種や陽性判定・濃厚接触時の取り扱いなど、従業員の安全・安心を第一に労使でしっかりとコミュニケーションを図り実施しています。

中央労使協議会の様子